勤労感謝の日は義父の命日の翌日でお墓参りへ
柿と柚子が青空の下、たわわに実っていました
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お花と甘党だった義父の好物を備えてなむなむ
毎年とても良い日和です
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翌日曜は独り奥多摩へ
前々から気になっていたタワ尾根と長沢背稜
奥多摩最奥の長大な尾根と静かな稜線を歩いてきました

長沢背稜は東京と埼玉の県境にまたがる稜線
目指す酉谷山は、奥多摩一帯の中でも最も奥まった場所にある深山です


20kmを超えるロングルートなので、真っ暗になる前に下山できればいいなと、
6時半過ぎ、東日原バス停手前の駐車場(協力金@500)を出発
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久しぶりの景色 稲村岩の存在感ある姿は変わりません
沢に降ってから稲村岩を巻くよう鷹の巣山に登るルートは、開通されたのだろうか?
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沢へ至る斜面の紅葉を眺めながら20分ほど歩き
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日原鍾乳洞方面へ
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まだ陽が昇りきってないので紅葉も眠りから覚めていない
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鍾乳洞の売店・トイレ脇を過ぎ、、、
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7時 一石山神社への石段を登って登山開始
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石段を登った正面の神社に無事の下山をお祈りして
左の建物(社務所?)の右脇を進みます
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右に折り返して人工物の脇を歩き、左に折れてからジグザグに登って行く
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急登のはじまりです
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一石山までは脹脛が攣りそうになるくらいの斜面
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神社から稜線に至るまで道標がないのだが、、
落ち葉の下に隠れていたりするロープや昔の作業用と思われる階段を辿る
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歩きはじめの急登に、やっと陽が差し込んできた
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まだ残っている紅葉が色鮮やかに輝いて、急登の辛さも忘れます♪
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30分ほどで急登が終了
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しばらく歩いた場所が、一石山 1007mの山頂でした
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日の当たる場所まで移動して朝パンを食べながら休憩していると、
ソロ男性二人に追いつかれ先に行かれる
結局この日は自分も入れて、この山域に3人だけしか歩いていなかった
静かな静かな山歩き
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足元は踏み跡を完全に隠してしまう落ち葉で埋め尽くされ
かさこそ かさこそ
落ち葉をかき分ける音が聞こえるだけ
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1000mを越える頃、右側の紅葉樹の色彩が鮮やかになってきた
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山の紅葉を愛でるのは、今年はこれが最後かなぁ、、
立ち止まってシャッターを切っているうちに、先行した二人の姿が見えなくなる
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奥多摩最奥の山々は、百名山などの有名な場所と違って明確な道標がない
今回登るタワ尾根は一般ルートではなく破線路
落ち葉に埋もれた深い山のルートは道迷い遭難も多発していて、バリエーション的な要素を含みます
だからこそ、訪れる登山者も少ないのが魅力的♪
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なんとなく踏み跡らしきものを辿っていけば先に進めるわけだけど、
野生動物や迷った末の登山者の足跡だったりするので信用は禁物です
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紙地図をチェックして地形を把握しながら方向を見定める
迷ったらスマホのGPSで現在地確認をすればいいけど、完全に信用するのは道迷いの元

途中の通過してしまったらしい人形山の山頂標識は見つけられなかったけど、、、
タワ尾根の中間地点、広々とした山頂に到着
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8時35分 金袋山 1325m
袋の下が切れてたので、おこぼれをいただきました!
年の瀬は懐も暖かいかな!?
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休まず先へと歩くこと10分くらい
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篤坂ノ丸(すずさかのまる) 1455mに到着
手づくりの標識が楽しい♪
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これから歩く長沢背稜
蕎麦粒山から川苔山方面だろうか?
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登り一辺倒だった尾根は、いったん大きく降り登り返していく
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次第に岩場の痩せ尾根に変わると同時に、陽は当たらなくなって風が強くなり、
気温が一気に下がって寒さに震える
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9時30分 ウトウの頭 1587m 到着
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この標識が見たかったんです
ウトウは海鳥なのに何故山名にしたんだろう?不思議です
二つある標識の上の一枚は焼き物で下は木製
なんだか、この山域への愛を感じます
(「ウトウの頭」の意味は記事の最後に!)
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行動しているのに、すっかり身体が冷えてしまった
ミドルレイヤーを着込み、インナーグローブをつけて休まず先へ
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ウトウの頭からは薄い踏み跡を辿って大きく降る
途中、立派なサルノコシカケをパチリ
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鞍部まで降り痩せ尾根を進むと、目の前に岩場が立ちはだかる
真っ直ぐに登れそうだけど左に巻いて降るのが正解
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真っ直ぐ進んでしまうと、この岩場をクライムダウンしなければならないので注意⚠️
過去には死亡事故も発生しているらしい・・・
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降ったら登り返す、、、
正面に岩があるのだけど、わかりずらい、、、
岩を左に巻くように登ると青いテープが枝に巻いてある
右斜め上の岩の間を縫うように登っていきます
左方面へ進んでしまうと、、迷うこと確実
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岩場を過ぎたところで作業用レールが登場
そろそろタワ尾根の終了のサインだ
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レールに沿って登っていき、、、
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作業用レールの終点
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作業用レール終点から真っ直ぐ登ると、タワ尾根の終点 滝谷の峰(タワ尾根の頭)
稜線通しを歩くのも魅力的だけど、、、
小さなアップダウンを繰り返すのみで、さほど変化はなさそうなので巻き道を選択
写真右手の道標へ
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道標脇で一休みしてから奥多摩の最奥稜線 長沢背稜へと乗ります
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樹林の間から見えたのは大岳山
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長沢背稜はアップダウンが少なく、とても歩きやすいトレイル
雨、霧、ガスなどの悪天候でなければ、道迷いの心配も少なくなるかな?
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石垣などもあり人の手による整備がされている
奥多摩最奥の場所には、こんなに素敵な場所が待っていた♪
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上滝尾根へのルートはよくわからず通り過ぎ、、
酉谷山への分岐となる行福(みょうふく)ノタオを左へ
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道標が立っているだけで、行福ノタオとは何も書かれてません
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葉がすべて落ちた冬枯れの気持ちの良い稜線
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たいした登りではないけど、岩場に苦しみながら身体を持ち上げ、、
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山頂標柱が見えた!
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11時35分 酉谷山 1718m 登頂!
百名山 雲取山から東に分岐する長い山稜 長沢背稜の最高峰
別名「黒ドッケ」とも呼ばれます
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東日原から5時間半から6時間くらいかかるところ、
休憩を入れてなんとか5時間で登りきれた
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緑豊かな時期では葉が繁り、青空も展望もあまり望めなさそうな山頂なので、
紅葉か冬枯れのこの季節に訪れるのが一番良いかも
ウトウの頭での寒さとは違って、風は無風に近く陽射しが降り注いで温かい♪
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ゆっくり腰を下ろしてカップラーメンで昼ご飯
こんなに山深い場所を貸し切り!最高です!♪
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食べ終わって山座同定
右端は大岳山
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中央奥に仏果山? 右端の黒い山容が御前山かな?
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奥の稜線は丹沢山に蛭ヶ岳?
手前が鷹ノ巣山からの石尾根のような気がする
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富士山は、、、よく分からず仕舞いで
木々の間から右端が雲取山
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いつもみたいに休憩をゆっくりとっていては暗くなってしまうので、、
30分ちょいの休憩で最奥の最高峰を後にする

山頂から少し降った酉谷峠から見える小さな小屋
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長沢背稜は小屋まで降りずに左に進んでいくのだが、、、ちょっと覗きに寄ってみた
小さなメルヘンチックな酉谷山避難小屋
山肌を切り崩して建てられています
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とっても綺麗な小屋 5人ほど泊まれそう
熱烈なファンがいるそうで、週末に宿泊するのは難しいと聞いていのだけど、、、
この週末であれば泊まれたでしょう
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くみ取り式のトイレもあります
水場がどこにあるのかわかりませんでした
もし泊まるのであれば、水場が枯れている可能性が高いので、
1〜2リットルは余分に担ぎ上げた方がよさそうです


長沢背稜の縦走路に復帰
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登山靴が埋もれるくらいの落ち葉をかきわけ
かさこそ かさこそ
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縦走路から稜線通しへ進路を変えて、、、
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12時50分 坊主山 1640m 登頂
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おおよそ行程の半分くらい
写真を撮っただけで通過
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山頂からの降りが急です・・・
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巻き道縦走路を歩いて、、また稜線へ
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13時20分 七跳山 1651m 登頂
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夏の時期だと鬱蒼としていそうですね・・・
ここも写真を撮って通過
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またまた縦走路に合流し、平坦で歩きやすい道を早歩き
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雨が降ったら滑りそうな木橋もでてくる
場所によっては斜面に落ちたら大怪我しそう
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小さな洞で遊んで気を紛らわしながら、単調な道の落ち葉を蹴散らす・・・
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途中、ハナド岩という好展望地があることを帰宅してから知ったのだけど、、
どこだったのか、、、まったくわからなかった
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この道標の辺りだったのかなぁ
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坊主山から1時間少々過ぎて天目山への分岐を左へ
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この日何度目かの登り返しで、息を切らせ
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14時30分 天目山 (三ツドッケ) 1576m 登頂!
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5人もいたら座るところもないような狭い山頂
天目山という山名は奥多摩側で使われ、秩父側では三ツドッケと呼ばれています
ドッケとはピークのことで三つのピークがあるように見えるとか・・・
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山頂は好展望地
都心の高層ビル群を遠望できる
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こっちは横浜みなとみらいかな?
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真ん中の尖りが大岳山
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右に目を移して丹沢山塊
左の円錐形が大山、中央に丹沢山に蛭ヶ岳
檜洞丸に大室山
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右端の鷹ノ巣山から左へと続く石尾根の全貌
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天目山が好展望なのは実は理由があるという、、、

、、、それは、この山を愛して止まないオジさんが、展望を良くしようとチェーンソーで、
山頂の木を伐採してしまったからだそうだ

後日談
このオジさん自ら警察に出頭し、固有林を無断伐採した罪で、ウン十万円の罰金を支払ったらしいとか、しないとか、、、

なんとも困った御仁ですが、、
展望が良くなったのは嬉しいですけど(-_^:)









四半刻休んで14時45分下山
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あとは降るだけかと思ってたら、登り返しがあったのねぇ(-_-;)
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痩せ尾根を歩いて降りはじめたら、、、
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山頂から15分ほどで広い尾根上にある一杯水避難小屋に到着
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トイレ完備で室内は広々 8人くらいは寝ることができそう
手前の土間にはストーブがあったらしいけど撤去されている
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この避難小屋には怖い話があって、、、
20年前の2005年、強盗傷害事件があったそう(((;゚д゚;)))
山に登る人は皆良い人なんて、お人好し過ぎるのかもしれないな
不審な様子の人には注意した方がよさそうです









こんな山奥で自然や野生動物だけでなく、人間にも注意を払わなければならないなんて、、
世知辛い世の中だな・・・と、そんな物騒な話も帰宅してから知ったこと
ヨコスズ尾根を2時間かけて降っていきます
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かさこそ かさこそ
尾根は緩やかに標高を落としていき
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大量の毬栗地帯を歩き抜け
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自然界で生きる動物たちの厳しさの跡を目の当たりにする
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東斜面と細いトラバース路に入ると、雲も多くなって陽の光は届かなくなる
トラバース路を右に曲がる直前、動物の気配を感じた、、、クマか?
、、、恐る恐る右に曲がると「バサバサッ」と雉が飛んでいった
驚かせないでくれよぉ(-。-;)
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40分ほどで滝入ノ峰付近アンテナ付近に到着 小休止
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真っ暗になる17時前には登山を終えたいので早足
、、といっても、右膝に爆弾を抱えているので、降りはそれほど早くは進めないのが悲しい現実
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この山奥でヘッドライトを点けて歩くのは、とっても危険、、
暗闇が早いか競争
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紅葉なんて撮ってる場合じゃないのでは?( -_-)
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奥多摩の山は登り始めが急登であることが多く、ここも同じく急下降をジグザク
急下降の急斜面は膝によろしくなく、スピードをあげられない、、、
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それでもペースを落とすことなく、日原村への配水設備まできた
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なんと登山道に街灯が灯っている!
ヘッドライトを点けるほどではないけど有り難や
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ほどなくして集落に入り、、
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ヨコスズ尾根コースへの入口
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16時50分 目標の下山時刻より20分遅れたけど、
完全に暗くなる前に駐車場に戻ってきました
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奥多摩最奥の地の尾根上は、東京都とは思えないような山深く
まったく人とすれ違うことのない静寂な空間が広がっていました


かさこそ かさこそ
ひとり落ち葉を掻き分け歩き巡り、初冬の足音を響かせたのでした
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「ウトウの頭」
カシラというのは沢の頂きを意味し、ウトウ沢の頂きが「ウトウの頭」ということらしい
ウトウ沢はタワ尾根の西側に流れる孫惣谷側の沢の名前。
猟師が地獄で苦しめられる内容の「善知鳥(ウトウのこと)」という謡曲があって、
猟師が難渋して苦しめられる沢というので「善知鳥沢」というようになってようです。



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今回の山行記録
●山行日  2024年11月24日(日)
●山域   奥多摩
●メンバー 単独
●行動時間 10時間20分(休憩1時間50分)
●ルート  約22km
東日原駐車場(6:30)〜一石山神社(6:55)〜一石山(7:40)(7:50)
〜金袋山(8:35)〜篤坂ノ丸(8:50)〜ウトウの頭(9:30)
〜林界標識(10:30)(10:40)〜行福ノタオ(11:10)〜酉谷山(11:35)(12:10)
〜酉谷避難小屋(12:10)〜坊主山(12:50)〜七跳山(13:20)(13:25)
〜天目山(14:30)(14:45)〜一杯水避難小屋(15:00)(15:10)
〜滝入ノ峰付近アンテナ(15:50)(15:55)〜東日原駐車場(16:50)
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map_酉谷山-天目山